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心配のあまり予防接種をほとんど未接種で保育園に入園するお子さんがいます。

画像: 心配のあまり予防接種をほとんど未接種で保育園に入園するお子さんがいます。

ご両親に食物アレルギーがあり、子どもにも遺伝しているのではないかと思い、接種をためらっているうちにタイミングを逃してしまったお話です。

 予防接種のお知らせには、副作用について何度も念を押すように書かれています。
ここまで念には念を入れて書かないと見落としてしまう可能性があることは理解していても、ちょっと怖くなって予防接種をためらってしまう保護者がいても、仕方がないかもしれません。
アレルギーの心配があるお子さんがいる場合は、アナフィラキシーも気になるところです。
ごく稀に、心配のあまり予防接種をほとんど未接種で保育園に入園するお子さんがいます。

 今回のお話のお子さんは、ご両親に食物アレルギーがあり、子どもにも遺伝しているのではないかと思い、接種をためらっているうちにタイミングを逃してしまったそうです。
普段の生活ではアレルギーを疑う場面に遭遇したことはなく、病院に相談したこともありませんでしたから、本当にアレルギーかどうかは不明です。

 保育園では入園したお子さんの情報は担任以外のスタッフとも共有し、責任を持ってお預かりするよう努めています。
感染症にかかってしまうと予防接種を受けているお子さんよりも症状が悪化しやすいかもしれないので、少しの変化も見逃さないように、と情報共有をしました。
そして、一生懸命様子を観察して、保護者の方に伝えたことにより、早めに病院に通ってくださったので、重症化せず、1年後には丈夫なお子さんに成長して、安心しました。
アレルギーらしい様子も見受けられませんでした。

 ワクチン接種によるアナフィラキシーがニュースで取り上げられたことで、アレルギーではなくてもアナフィラキシーの名前だけなら聞いたことがある方が増えたと思います。
そのためか、予防接種全般が必要以上に怖いものだと認識されてしまったように感じます。
食物アレルギー患者にとっては、アナフィラキシーと食物経口負荷試験のことがどうしても気になります。

「食物アレルギーの診療の手引き2020」とともに、新しく「食物経口負荷試験の手引き2020」ができましたので、一読してみることをお勧めします!
「食物経口負荷試験の手引き2020」では、準備から実施、判定がまとめられており、負荷試験の進め方が分かりやすくなっています。
また、症状のグレードが分類されているので、アナフィラキシーを起こしている状態かどうかの参考になります。
予防接種後のお子さんの様子を観察するときに役立ちますね。

 予防接種には、残念ながら副作用が必ずしも0ではない、アナフィラキシーも一切起こらないとは限らないです。
不安になるのも当然のことです。
この不安を伝えるために、問診票と接種前の問診があります。
注射打ちに来て今さらアレコレきいちゃダメかな、なんて思わずどんどんきいてみましょう。
副作用と感染症のこと、アレルギーのこともしっかり判断して、私たち保護者と一緒に考えてくれます。

認定食物アレルギー管理栄養士「根路銘寿々(ネロメスズ)」

老人ホーム、療養型病院、保育園などの施設に15年以上勤務した経験をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。

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