果物や野菜にはアレルギー症状と似たような症状を起こす物質が含まれていて、仮性アレルゲンと呼ばれています。

仮性アレルゲン

画像: 仮性アレルゲン

仮性アレルゲンによる食物不耐性

 秋になると毎年、父の友人が山芋を送ってくれます。
丹波篠山で採れた「山の芋」で、ゴツゴツとした大きなじゃがいものような形をしているのですが、粘りの強さが特徴で、箸でつまむとそのまま丸ごと持ち上がってしまうほどです。
まぐろの山かけ丼にしていただくのですが、味はまぐろの存在にも負けないほど濃厚で毎年のお楽しみの一つになっていました。
今回はそんなヤマイモにまつわる食物アレルギーのお話です。

【仮性アレルゲン】
 果物や野菜にはアレルギー症状と似たような症状を起こす物質が含まれていて、仮性アレルゲンと呼ばれています。
ヤマイモには「アセチルコリン」という仮性アレルゲンが含まれていて、多量に仮性アレルゲンを摂取すると、食物不耐性を起こすことがわかっています。食物不耐性は一見、食物アレルギーの症状と区別がつきにくいのですが、アナフィラキシーショックなどの強い症状が出ることはありません。
また、仮性アレルゲンの場合、多量に摂取することで症状が起きることから、摂取する量を抑えることで症状を防ぐことができます。
そのため、食物不耐性に対しての除去は不要です。

 ヤマイモを食べたり、触れたりした際に口や皮膚に痒みを感じることがありますが、その症状が出たからといってすぐに食物アレルギーだとは判断することはできません。
また、ヤマイモは仮性アレルゲンによる食物不耐性で、症状を訴える人が多いため重篤症状を引き起こすイメージを持つ人が少ないと言われています。
しかし、アナフィラキシーショックを引き起こしたの原因となった症例も報告されています。
独自の判断や考えで安易に除去することなく、必ず医療機関で検査をし、専門医の指示を仰ぎましよう。

 ヤマイモは食品表示では「特定原材料に準ずるもの」に指定されています。
ヤマイモアレルギーだと診断された場合、加工食品でも症状を誘発した事例があるため、ヤマイモを含むすべての食品が除去の対象となります。
加工食品で使用されているものには饅頭やカルカン、お好み焼き粉の食感をよくするために使用されている事もあります。

 そして、「特定原材料に準ずるもの」に指定されていて表示推奨となっていますが、あくまで推奨なのでなかには表示されていないという事もあり得るのです。
店頭での表示義務もないため、販売員や店舗責任者に確認する必要があります。
ヤマイモアレルギーをお持ちの方は不安に感じた場合は必ず確認をする、それでも心配な場合は食べないという判断をする、ということも頭に入れておくと良いでしょう。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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