子供にも原材料表示チェックを覚えてもらったお話し

謎のたべもの!?『カカシトクワ』

食物アレルギーに身近な「原材料表示チェック」で起きた息子とのエピソードです。

 子供たちがまだ小さな頃、口にするものは私自身が全てチェックをしていました。
特にアレルギーの品目が多かった次男には、普段から念入りに「必ずお母さんに聞いてから食べてね」と言い聞かせていました。
幼稚園に通いはじめ、お友達との交流が増えた頃、おやつは持参していたものの全てを把握することが難しくなっていました。
そこで、文字が読めるようになった年中〜年長の時期に原材料表示のチェックを覚えてもらうことにしました。

 自分にはどんな種類の食物アレルギーがあるのか、食べるとどうなってしまうのか、食材を一つずつチェックしながら、時にはクイズ形式で問題を出し合って遊び感覚で覚えてもらいました。
そうしているうちに、食べる前に袋や箱を見てから食べるという習慣がついてきました。

 夏休みになり私の実家に帰省した時のこと、いとこ達と一緒におやつを食べはじめました。
しばらくすると何やら慌てた様子で「お母さん!カカシトクワって食べられる!?」と聞いてきました。
『カカシトクワ?』
初めて耳にする謎の食材に私は戸惑いました。
買い物の時に原材料表示はチェックしたし、そんな変な名前の材料が入っているなら絶対に気づくはず、でももし見落としていたら…と怖くなり急いで確認に行きました。

 それはお野菜を練り込んだコンソメ味のスナックで、これまで何度も食べた事のある大好きなお菓子でした。
よく見ると、そこに書かれていたのは食材ではなく、なんと農具!
パッケージにはベジタブルにちなんで、野菜をモチーフにした色々な形のスナックが紹介されていました。
その中に「カカシ」と「クワ」が畑のなかまとしてメンバーに加わっていたのです。

 ホッとしたのと同時に「カカシトクワ」の謎が解け、私は大笑い。
次男はなぜ私が笑っているのか不思議そうな顔をしていましたが、彼なりに原材料チェックをして、しっかり考えていたのだと思うと、なんだか胸がいっぱいになりました。
それ以来スーパーでそのお菓子を見ると懐かしさと可笑しさで、少し吹き出しそうになります。 そして今年から中学生になる次男は、今でも美味しそうに「カカシトクワ」を食べています。

 食物アレルギーと暮らして行くなかで、欠かせないものの一つが「原材料表示のチェック」容器包装された食品には、原材料のアレルギー表示を必ず行う事とされています。
はじめて購入する商品はもちろん、今まで食べた事のある食品でも原材料を変更することがあります。
また、同じような商品でも各メーカーによっても少し違っていたりすることもあるので、こまめにチェックすることは大事なことですね。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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