「牛乳」が完全に除去解除となった次男のお話し

初めてのソフトクリーム!

次男は乳製品アレルギーでした。

 “でした“というのは、かかりつけ医と相談し、少しずつ牛乳を飲む練習をはじめ、幼稚園に入園する前には年齢に見合った量まで飲めるようになったからです。

牛乳、卵や小麦、大豆は、成長に伴う消化・吸収の発達で、年齢に見合った量が食べられるようになる「自然耐性化率」が高いといわれています。
医師と「食べられる量」を決め、時間をかけてアレルギーに対する耐性を得る練習をします。
そして除去解除を目指していきます。

 ちなみに、乳製品アレルギーで、原材料に「乳」という文字がついているものは食べられないと、誤解される方が多いようです。
たとえば『乳化剤』ですが、乳化剤には、食感や風味をよくする役割があります。
油と水のように混ざりにくいものを均一に混ぜ合わせることを“乳化“と呼ぶため、「乳」の文字が使われます。
そのため、牛乳由来ではないか、または乳成分が入っているんじゃないかと勘違いされることがあります。
他にも『乳酸カルシウム』や『乳酸ナトリウム』にも乳成分は含まれいていません。
少しまぎらわしいのですが、知っておくと不要な除去をせずに済みます。

 少しずつ食べる練習をして「牛乳」が完全に除去解除となった次男ですが、以前から食べたがっていた、ソフトクリームを食べてみることにしました。
一口舐めてみると、今まで見たことのない目の輝き、嬉しそうな表情、まるでアニメを見ているようでした。

 当時、乳製品以外にも、卵と小麦のアレルギーがあった次男。
そんな彼のスイーツといえば、甘くて華やかな可愛いらしいおやつではなく、「シンプルなゼリー」や「パリパリのせんべい」そして「ようかん」という少し渋めなお菓子でした。 

 これまでのおやつでは体験したことのない食感や美味しさに、握る手には力が入り、コーン部分はバリバリに割れました。
さらに食べたいという強い思いと勢いで、顔はソフトクリームにダイブ。
私たちは、一瞬の出来事にただ驚くばかり。
慌てて拭こうと手をだすと、さらに強く握りしめ、ソフトクリームが漏れだし悪循環に。
結局、いろいろと汚れてしまいましたが本人はとても満足そうな顔をしていました。
その時の目の輝きと表情は、今でも鮮明に記憶しています。
それでもやっぱり、映像に残しておきたかったね、と懐かしみながら夫婦で振り返ることがあります。

 この先、食物アレルギーの耐性がつき、食べられるようになって、食べたいものを初めて食べるぞ!という時は、ぜひ映像を記録に残してください。
食べられるようになった喜びを残しておくこともそうですが、はじめて食べた時の表情や声、しぐさ全てが、頑張ってきたママ、パパへのご褒美になります。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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