久しぶりに会う友人と子連れで外食
授乳中のママさんの疑問を解決!
子どもの食物アレルギー、ミルクを足し始めた頃や、離乳食が始まった頃に発覚したという方が多いのではないでしょうか。
食物アレルギーの年齢分布でも、0歳児が34%で最も多いということがわかっています。(食物アレルギー診療ガイドラインより)
0歳児というと、授乳真っ只中の時期だと思います。今回はそんな授乳の時のお話です。
友人との子連れ外食、久しぶりという事もあり会話も弾み、楽しい時間を過ごしていました。
ランチをしようと入った店での出来事です。
メニュー表をみている友人、なかなか食べるものを決められずに悩んでいるようでした。
いつもは食べたいものをスパッとき決めてしまうタイプの人だったのに、今日はどうしたんだろうと気になり聞いてみると、「私も卵を控えてるの」と言うのです。
友人の子は卵アレルギーでした。
授乳中ということもあり、友人自身も卵を食べないようにしているとの事。
「私の食べているもので、この子に影響したらどうしようと思うと、心配で…」と話してくれました。
かかりつけのお医者さんからの指導ではなく、友人が不安に思っての行動でした。
母乳は血液から作られています。
そのため、ママ自身も食物を除去した方がいいのでは…と不安になることは仕方のないこと。
結論から言うと、ほとんどの場合ママも除去する必要はありません。
母乳中にも「食物抗原(アレルゲン)」と呼ばれる、抗体を作らせる原因物質は入っていますが、そのなかのたんぱく質はとても微量です。
すごく少ないうえに、抗体を作らせる力も低くなっています。
なので、重症の食物アレルギーのお子さん以外では、ママの食物除去の必要はないとされています。
(ただし、乳児アトピー性皮膚炎と食物アレルギーの関連性が認められるときは、ママの食物除去を行うこともあります。)
さらに友人からは、「母乳の質が良くなる食事はあるの?」と聞かれました。
母乳の質が悪かったら…とか、味がおいしくなかったらと心配していたようです。
そもそも母乳を作る場所と、栄養を運ぶ道は直接つながっていないので、食べたものがダイレクトに母乳の栄養素に影響するとは言えません。
友人の子は第一子というと事もあり、小さな心配事がどんどん膨らみ、次から次へと不安が溢れているようでした。
友人には、数ヶ月の食事内容で母乳の栄養素は変わらないこと、また、授乳中の食物除去は必要ないこと、そしてバランスよく食事をすることを伝えました。
それでも、「授乳中の食物除去が必要ない」ということは一般的に言われていることなので、きちんとかかりつけの先生に相談することを勧めました。
子育て中は、心配事や不安がつきものです。
それに加えて食物アレルギーの不安も重なって、思い悩むこともあるかもしれません。
少しでも疑問や不安に感じたことは、ぜひかかりつけの先生に相談してください。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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