アレルギーの研究は日々進歩しています。

情報が180度変わっている?!

その情報、古くないですか?信頼できますか?

 食物アレルギーを含む「アレルギー」は、免疫の過剰な反応によって、身体にとって不利益な症状が引き起こってしまうことです。
なぜアレルギーが起こるのか、という発症のメカニズムは、まだ完全にわかっていません。
そのため世界中でも研究が行われ、新しい見解が登場し、さまざまな情報が飛び交っています。
今まで良いとされていた方法が、新しい見解では、実は逆効果だった…ということもあります。

 長男が産まれた頃は、こう発表されていました。
「家族内にアレルギー患者がいる場合、アレルギー発症予防のために2歳まで
鶏卵を摂取すべきではない」
そのため、長男は離乳食での卵を、遅めにあげた方がいいのかも…と思いました。
私自身アレルギー体質で、喘息もあった為、なるべくリスクを減らしてあげたいと考えたからです。

 なので、長男に初めて卵をたべさせたのは生後10か月に入ってからの事でした。
しかし結果は卵アレルギー。
あくまで予防なんだからと思いつつも、遅らせる意味があったのかわからないまま約2年が経ちました。

 次男が産まれ、離乳食が始まりました。
すると今回は、「特定の食品の摂取を遅らせたり、離乳食の開始を遅らせても食物アレルギーの予防になる科学的根拠はない」と、書かれていたのです。
さらに、早期摂取による、発症予防の可能性に関してもたくさんの事例が書いてありました。
ちょうど、長男と次男の間の年に発表された内容でした。

 日々多くの研究で進化してるとはいえ、こうも真逆になることがあるのかと、当時は戸惑いましたが、古い知識のまま、離乳食を進めなくてよかったとホッとした事を憶えています。
結果、次男も卵アレルギーでしたが、新しい情報を知っているのといないのとでは心持も全く違います。
ただ、仕方なかったとはいえ、長男の卵の摂取を遅らせてしまった為に、卵アレルギーを発症させてしまったのでは…と少し気持ちがひっかかっています。(もちろん因果関係はわからないのですが…)

 アレルギーに関しては、発症の原因が完全に解明されているわけではなく、いまだに未知の部分もあり、研究段階です。 
研究や進歩で情報は日々変化しています。
なので、何か新たな情報を得たときは、それが最新で、信頼できる情報なのか確認してください。
また、アレルギーに関する本を購入しようか考えている方には、「改訂版」や最新版を選ぶことをおすすめします。

そして、食物アレルギーには個人差があります。
他の人は大丈夫でも、新しい事を取り入れるときはぜひ慎重になってください。
また、かかりつけ医の指導、管理の下で行うことが安心・安全です。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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