混同されやすいヒスタミン中毒のお話し

アレルギーと混同されやすい、ヒスタミン中毒のお話です。

体が未発達な頃、乳幼児に起こりやすいです。

 食物アレルギーではないですが、アレルギーのことがよくわかっていないと混同されやすい、ヒスタミン中毒のお話です。
体が未発達な頃、乳幼児に起こりやすいです。
食品に含まれるヒスチジンが、鮮度が落ちてしまったときにヒスタミンに変化してしまい、中毒症状を起こしてしまったために起こります。
食物アレルギーでアレルゲンを除去するように、ヒスチジンを含むお魚は食べなければ大丈夫…と考える方がいるかと思います。
しかし、ヒスチジンは必須アミノ酸で、人間の体の中では作られませんので、ヒスタミン中毒を恐れず適切な調理で食べて欲しいです。
今回のお話では実際に起こった出来事をモデルに書きました。

 薄味で美味しく仕上げたいと思った給食スタッフ。
だしパックを、パッケージに書かれた時間よりも長く煮出してみることにしました。
長く煮出したので、色の濃い、煮干しの香りがしっかりした出汁ができました。
今日の出汁は自信作!と配膳し、子どもたちも喜んで食べてくれました…が、様子がなんだかおかしい⁉数人の子どもが、痒そうに顔を搔いています。
顔が痒くなるといえば、最初に思いつくのが食物アレルギーかと思います。
だいたいの食中毒は消化器症状が中心なので、まさか、痒くなる原因が食中毒とは思わないですよね。

 イワシやカツオといった赤身の魚はヒスチジンを含んでいるため、加工の過程でごく少量のヒスタミンができます。
通常はとても少ないので、中毒を起こすことはありません。
今回の場合は、決められた時間以上煮出してしまったため、想定外のヒスタミンが出汁の中に溶出してしまったようです。

 ヒスタミン中毒の症状は、顔周辺が赤くなって痒くなりますが1時間くらいで収まるし、重い場合でも抗ヒスタミン薬で治せるので、私たちも気付かないうちに経験しているかもしれません。
 食物アレルギーと同様、体のコンディションがイマイチだと症状が現れやすくなるので、普段から健康管理には注意していきたいですね。

認定食物アレルギー管理栄養士「根路銘寿々(ネロメスズ)」

老人ホーム、療養型病院、保育園などの施設に15年以上勤務した経験をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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