次男も耐性を獲得し、幼稚園に入園する頃には牛乳・卵・小麦は食べられるようになりました

食物アレルギーは命に関わることなので厳しく教えてきました

次男が小学校に入学した頃の話です

 「耐性」という言葉、食物アレルギーの診断を受けた方はご存知かと思います。
アレルゲンの適切な除去と、消化・吸収機能の成長で、原因食物を年齢に応じた量まで摂取しても症状が現れなくなることを「耐性を獲得した」と言います。

 次男も耐性を獲得し、幼稚園に入園する頃には牛乳・卵・小麦は食べられるようになりました。
蕎麦やピーナツは耐性を獲得しにくいと言われている食物なので、まだ食べられませんが、
気をつければ、みんなと同じように外食もできます。

 次男が小学校に入学した頃の話です。
家族で久しぶりの外食、次男は楽しそうにしているものの、なんだか食が進んでいない様子…。
「お腹いっぱい」と言ってその日は結局、あまり食べませんでした。
また、家庭訪問の時には「給食が苦手なようだけど、よく頑張って食べています」と聞かされます。
他にも、誕生日やイベントでは、お店の綺麗なケーキではなく、自宅で作ったシンプルなものを食べたがりました。
心配する私に対して、次男が言ったことは「お母さんのご飯じゃないから、安心できない」でした。

 食物アレルギーは命に関わることなので、親のいない場所でも誤食してしまわないように厳しく教えてきました。
しかし今回はそれが裏目に出てしまいました。
必要以上に原因食物に対して恐怖心を抱かせてしまったのです。
そのことが耐性を獲得し、除去解除になった後でも、引きずってしまい外で食べる食事に対して不信感を抱いてしまったようです。
将来、耐性を獲得するかもしれないという事を頭に置いて、除去生活を進めていくべきでした。

食物アレルギーは色々なパターンや症状があるので、耐性化率も年齢や原因食物の種類によっても変わってきます。
鶏卵70%(6歳)
牛乳85%(6歳)
小麦50%〜70%(8歳)
大豆78%(2〜3歳)
という報告もあります。

 誤食やアナフィラキシーを起こさないように注意しつつ、将来、除去解除の可能性も考えて必要以上に恐怖心を抱かせない。
そして、両方のバランスをうまく保っていくこと。
むずかしいところですが、その子の性格や気質も考慮した上で進めていくことが大切だと感じました。

 その後の次男ですが、偶然にも小学校の栄養教諭が、私が学生時に実習でお世話になった先生でした。
「お母さんの先生が給食の先生だから安心して食べていいんだよ」と話をしてあげると、ホッとした表情で、納得したようでした。
それから給食に関しては、嫌いなもの以外は特に問題なく、6年間過ごすことができました。
また、外食も以前のように食べないという事はなくなりましたが、なぜかケーキだけは今でも手作り派です。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。