食物アレルギーを持つ者や家族としてどうすれば良いのか、
また支援する側は、食物アレルギーの方へどう対応するのが良いのでしょうか。
災害時の備えと配慮
【炊き出しでの配慮】
毎年発生する自然災害、日本は気象や地形、地質など災害を受けやすい国土という事がわかっています。
例えば地震、日本は4つのプレートがぶつかり合っているため、世界的に見ても地震の多い国です。
また、海外の河川と比較しすると、勾配が急で河口までの長さが短いために大雨の影響を受けやすく、近年は異常気象による豪雨で、土砂災害が増加傾向にあります。
いつ起こるか分からない自然災害で、避難所での生活を余儀なくされた場合、私たち食物アレルギーを持つ者や家族としてどうすれば良いのか、また支援する側は、食物アレルギーの方へどう対応するのが良いのでしょうか。
まだ今ほど食物アレルギーが認知されていない頃は
「非常時なのにわがまま」や「過保護すぎる」などの誤解を受けたり食材の詳細を尋ねたら嫌な顔をされたなど、悲しい思いをしたという話もあります。
【炊き出しでの配慮】
「何が入っているか分からなかったので食べる事ができなかった」
「非常時で言い出せない雰囲気がある」
その為使った食材、調味料を全て貼り出しておくと、ひと目でわかります。
書き出すのが大変な時は、使った調味料や食材の袋を貼り付けるだけで、何が入っているか確認する事ができるので安心です。
貼り付けることのできないボトルなどの調味料は、前方の見やすい場所や目立つ場所に置いておくと、混雑している時でも気を使わずに、確認できます。
【知らせるツールを活用する】
親子一緒に避難できれば良いのですが、災害はいつ起こるかわかりません。
子どものみで避難所にいるケースもあるはずです。
その際、食物アレルギーがあることを周りに伝えられるかどうかも大切です。
自ら食物アレルギーがあることを言い出せない場合や、うまく説明できない時のために伝えるためのツールを使用するという方法があります。
「アレルギーサインプレート」というものがあります。
何の種類のアレルギーがあるのか、症状が出た場合はどのように対処するのかなど詳細を記入し、災害時には周りにわかるように身につけておきます。
色々な自治体や団体が作成しています、ご自分の使いやすいタイプを見つけて備えてください。
食物アレルギーがある人は、防災対策として日頃から食べられる物を準備しておくことは重要です。
アレルギー対応の備蓄の目安は2週間分と言われていますが、必ずしも備蓄品を持って避難できるとは限りませんし個人で備蓄できる量には限界もあります。
そんな時に、避難所での炊き出しや配布される食べ物を安心して食べる事ができるように配慮が必要です。
「自助」と「共助」で、災害時の食物アレルギーの対応について少しでも理解してくれる人が増え配慮が広がると、避難生活での不安な気持ちも少しは軽くなるかもしれません。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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