みなさんはご自宅で揚げ物をしますか?
揚げ物をする時に使う油、食物アレルギーがある場合同じ油で調理して大丈夫なのだろうかと気になった方もいると思います。

揚げ油は大丈夫?

【自宅や外食では】

 みなさんはご自宅で揚げ物をしますか?
キッチンが汚れるから、油の処理が面倒だからなど様々な理由から自宅で揚げ物の調理を控えている方もいるようです。確かに、揚げ物の後の油はねの掃除も面倒くさいですしね。
我が家には食べ盛りな中学生男子が2人いるので、揚げ物などがっつりメニューの日はとても喜びます。私としては、少々胃もたれも気になる年齢で、できればあっさりメニューが好ましいのですが、やはり子ども達には、おいしくしっかり食べて欲しいのでおのずと喜ぶメニューになってしまいます。

 さて、揚げ物をする時に使う油、食物アレルギーがある場合同じ油で調理して大丈夫なのだろうかと気になった方もいると思います。
アレルゲンの完全除去の指示を受けいている場合は、症状が出る可能性があるので、共有することはできません。
食物負荷試験を行い、ある程度の量を摂取しても問題のない場合は、家族で同じ油を使用しても大丈夫です。

【自宅や外食では】
 例えば、パン粉を使う揚げ物は、衣の小麦や卵が残ってしまう事があるので、微量でも症状が出る場合は同じ油を使うことはできません。
しかし、一度にたくさんの油を使う揚げ物、別々の工程で行うには作る側の負担が大きい調理法です。
なので「米粉のパン粉」を使用したり、「卵を使わないバッター液」で調理をすることで、作る側の負担軽減にもつながります。
また、アレルギー用の食材を揚げるときは必ず新しい油を使用し、先に揚げるなど順番を見直すことで同じ工程で作る事ができます。
外食の際は、同じ油で調理しているかどうか、調理担当者へ確認が必要になります。

【集団給食では】
 調理設備の広さや構造、それに携わる人の数、食物アレルギー児の数によって違いがあるため一律に対応方法が決められている訳ではありません。
「油の共有ができない」「食器調理器具の共有ができない」「ごく微量のアレルゲンで症状が出る」等の申告がある場合、集団での給食対応が難しいため、弁当対応となるケースがあります。
上記ような児童でも給食を提供している場合もありますが、コンタミネーションや誤食につながる心配がないよう具体的にどのような対策がされているか、確認が必要です。
もし、安全面に問題があり、不安を払拭できないなどの場合には、無理に給食対応を望まないのも方法の一つです。

 いずれにしても、揚げ油を共有できるかできないかの判断は、食物負荷試験でアレルゲンの食べられる量を把握し、必ず専門医の指示のもと行うのが安心です。
コンタミネーションや誤食、不必要な除去にもつながるため、くれぐれも自己判断で行うということがないように気をつけたいものです。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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