災害時の食物アレルギー対応は自治体によって差があり、まだまだ対策としてはこれからといったところです。
まずは、自身での備えを充実させていきましょう。

災害対策も忘れずに!

食物アレルギーと災害対策

 12月初旬にあった「栄養サミット2021」では、貧困国の子どもに税金を使って日本の子どもにお金を使わないなどと、本来の開催目的とは違う所が目立ってしまいましたが、栄養士会では栄養に関する技術や知識を支援することを目指しています。
即物的ではなく、持続可能な支援です。
何というか…ドン!とお金を渡して解決と思われるのは、これから栄養のことを学ぼうとしている学生さんの夢がなくなりそうで嫌だなと思いました。

 「栄養サミット2021」のサイドイベントとして、食物アレルギーと災害対策をテーマにしたセミナーが開催されました。
確かに、命が助かっても食べ物がなければどうしようもなくなってしまいます。
被災者の体験談でも、食べられるものがなかったこと、自身のアレルギーを理解してもらうことに苦労したそうです。

 災害時の食物アレルギー対応は自治体によって差があり、まだまだ対策としてはこれからといったところです。まずは、自身での備えを充実させていきましょう。
被災したときの相談先として“特殊栄養ステーション”があります。
食物アレルギーの他、治療食、ソフト食などの特殊な食事の困りごとを相談できます。
赤いキャップとジャケットが目印の栄養士にぜひ、お声がけください。

 災害備蓄=非常持ち出し袋のイメージがありますし、用意しておくに越したことはないです。
ただ、実際の災害は必ずしも自宅にいるタイミングとは限りません。お出かけの際には、とりあえず近くの避難所に行くための小物をカバンに用意し“公的避難所アレルギー対応食備蓄”の助けを求めるようにします。

 用意する小物は以下を基本とすると良いでしょう。
① 500mlペットの水
② アレルゲンを含まない羊羹、ビスケットなどの簡単にエネルギー補給ができるもの
③ 簡易トイレ
④ 保温シート
⑤ ホイッスル
⑥ キーホルダータイプの小さなライト

認定食物アレルギー管理栄養士「根路銘寿々(ネロメスズ)」

老人ホーム、療養型病院、保育園などの施設に15年以上勤務した経験をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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