コチニール色素の食物アレルギー症例は、身体の中(腸管)からの感作ではなく、皮膚からの感作が多く、化粧品を使用するこのと多い年齢層の女性が圧倒的に多いことがわかっています。
季節の変わり目や、体調によってもお肌の状態は変わりますが、「合わない」化粧品に出会った場合は成分を確認して受診する事をおすすめします。

色素の食物アレルギー

コチニール色素

友人の勧めで、コロリアージュを始めてからだいぶ経ちました。
コロリアージュとは、「大人の塗り絵」のことで、夢中になってしまうと色々な画材にも興味が湧き、世間で言う「沼にハマる」といった状況です。
その中で、「カーマイン」という名前の綺麗な赤色をした色鉛筆があるのですが、カーマインは着色料でも使用されていることがあります。

食品ではコチニール色素、化粧品ではカルミン酸と表記されるこの赤色着色料。
名前の様子から化学的なものに感じてしまいますが、天然成分の着色料で医薬品から食品、化粧品などさまざまなものに使用されています。

ちなみに、色鉛筆の色素は化学的に合成されたもののようで、天然のコチニールを使用したものではないようです。
紀元前2000年前から染料として使用されていたり、高貴な人々の衣服に用いられたり(貴重な赤色のため)、有名な絵画に使用されていたりしていた「コチニール」は 、南米産のサボテンに寄生する「コチニールカイガラムシ(エンジムシ)」という昆虫から
抽出されています。

多くの症例から、アレルギーを起こすのは色素そのものの成分ではなく虫体由来の"夾雑(キョウザツ)タンパク質アレルゲン"だと考えられていて、夾雑とは、いろいろなものが混ざるという意味です。
このタンパク質成分の濃度を低くすれば、抗原性も低下します。
日本で製造されるコチニール色素は低アレルゲン化が進んでいて、国内で製造されたコチニール色素を含む食品での症例は減っています。
しかし、海外で製造されたコチニール色素を使用している食品での症例報告は現在でも多いことがわかっています。

【ある女性の症例】
最初に異変を感じたのは、化粧品でした。
原因不明の目の痒みがあった為、特定のアイシャドウを使うのをやめてみたところ症状は治りました。
ところが、同時期にお菓子や弁当を食べた後、目の腫れや全身の痒みなどアレルギーのような症状が出たのです。
その後専門の病診で診てもらい、「コチニール色素のアレルギー」と診断されるまでに、5回ほどアナフィラキシーの症状もありました。
その女性は、コチニール色素を使用した化粧品や食品の摂取を禁止し、誤食に備えてエピペンを携帯しているそうです。

コチニール色素の食物アレルギー症例は、身体の中(腸管)からの感作ではなく、皮膚からの感作が多く、化粧品を使用するこのと多い年齢層の女性が圧倒的に多いことがわかっています。
季節の変わり目や、体調によってもお肌の状態は変わりますが、「合わない」化粧品に出会った場合は成分を確認して受診する事をおすすめします。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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