遠方からこちらに向かって元気よく手をふる女性がいました背格好から、友人だ!と思ったので嬉しくなり、こちらも大きく手をふりながら近づいた次の瞬間、お互い人違いだということに気づき大慌てした事があります。
マスク生活ならでは(?)少し恥ずかしい出来事でしたが、実は、食物アレルギー界でも「似ている」ことで起こる反応があります。
「似ている」とこで起こる交差反応とは
「似ている」とこで起こる交差反応とは
マスク生活を余儀なくされてから、早いこと数年、実は素顔を知らない…という方が周りにいたりしませんか?
最近では、宿泊の際マスク着用を求めても客が応じない場合、ホテル側が宿泊を拒否できるように法改正する方針だという発表もありました、海外のように「マスクを外す生活」はまだまだ時間がかかりそうですね。
そんなマスク生活が始まった頃のお話です。
遠方からこちらに向かって元気よく手をふる女性がいました背格好から、友人だ!と思ったので嬉しくなり、こちらも大きく手をふりながら近づいた次の瞬間、お互い人違いだということに気づき大慌てした事があります。
その女性は「似ていたもので、てっきり友人だと思っていました」と恥ずかしそうに仰っていました。
マスク生活ならでは(?)少し恥ずかしい出来事でしたが、実は、食物アレルギー界でも「似ている」ことで起こる反応があります。
「交差反応」
交差反応(交差抗原性)とは、アレルギー反応を起こす食品と違った食品(アレルゲン)でも、タンパク質の一部が似た形をしている場合、それに反応してアレルギー症状が出てしまう事です。
例えば、花粉によるアレルゲンの交差反応によって起こる「花粉食物アレルギー症候群」もその一つです。
スギの花粉症の人が、交差抗原性あるトマトを食べた時、口の中の痒みやイガイガ感、あるいは唇や粘膜に腫れなどの症状が現れる事があります。
それは、スギ花粉のアレルゲンと、トマトのアレルゲンが似ているため、「アレルゲンだ!」と反応してしまい症状を誘発してしまうからなのです。
他にもイネ科の花粉に対してアレルギーがある人は、メロン、スイカ、キウイフルーツなどは、交差抗原性のある食べ物として注意しなければなりません。
ナッツなどの果実・種子類では、くるみはペカンナッツと、カシューナッツはピスタチオとそれぞれ強い交差反応を起こす事がわかっています。
ちなみに卵(鶏卵)アレルギーの場合、ニワトリの肉である鶏肉と、鶏卵の交差性はなく
卵(鶏卵)アレルギーだからといって、鶏肉も除去してしまうという必要はありません。
また、交差反応の頻度は決して高くはないのですが、鶏卵の卵白とウズラ卵白は、交差抗原性があります。
自身の食物アレルギーのアレルゲンは、何の食物と交差抗原性があるのか、またどこまで除去が必要になるのか、気になること、疑問や不安は、主治医や専門医に相談して、判断することをおすすめします。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。