インタビュー:2020年3月
アレルギー品目:乳・卵・小麦・大豆・ごま・ナッツ・果物・魚・ラテックス・ダニ
年齢:3歳5か月

お子様の保育園選びや、周囲の理解の面で工夫した点や気をつけた点をお伺いしました。
乳、卵、小麦、大豆、ごま、ナッツ、果物、魚、ラテックス、ダニなどマルチアレルギーのあるお子さんをお持ちのママに話を聞きました。

※本記事は、あくまで一個人の体験談を参考情報として共有しており、個々に異なる症状への適切な対処法の提案ではありません。対処法などは、医師の診断に基づきご自身で適切に判断をしてください。

保育園は事前に対応などを確認、信頼できる園を見つけた

2歳までは集団生活を避けるよう医師から指導がありましたので、2歳から入所可能な保育園を探しました。アレルギー除去食のある保育園は2歳からの入園が難しかったこと、お弁当持ち込み可能といった条件を満たす保育園がなかなかなかったこともあり、結果、空きがあった小規模の認可外保育園に通うことになりました。

入園前にはアレルギーの検査結果や、どのような症状が出るか、もしものときの対処などについてもお伝えしました。さらに、食事の際の環境は目が行き届くかどうか、お昼寝時のお布団はダニが発生しやすいものではないかなどについて細かく確認をしていきました。

また、お散歩後に着替えをしてもらえるかどうかもチェックポイントでした。土はダニ、ホコリ、花粉の宝庫でもあります。そのため、公園遊びやお散歩のあとに必ず着替えをさせてもらえるかどうかは気になりました。たとえごく微量だとしても、毎日の積み重ねが重要だと医師からも言われていました。
ほかの園児が持ち込むかもしれないのですが、せめて息子だけでも着替えをさせてもらえないかを相談したところ、少人数なので快く対応してもらえたのは、本当にありがたかったです。

ほかにも、化学物質を使用した殺虫剤を避けてほしいことや、園内の消毒には次亜塩素酸系ではなく消毒用エタノールにしてもらえないかといったことをお願いしましたが、消毒については自治体からの指導で次亜塩素酸系でないといけないということがわかり、本人の目の前でまかないように気をつけてくださるということでまとまりました。

小さな園なので、大人の目はきちんと行き届いており問題なさそうだったこと、自治体からの指導など変えられない部分以外であれば、こちらからのお願いにしっかり対応してくださったことはとてもうれしかったですね。

そのため、入園に際しての心配事はかなりクリアになりました。見学にいった園の中には、かなり冷たい対応をされた園もありましたので、入園前に必ず直接出向き、自分の子どもに寄り添ってもらえるかを確認するのはとても大切なことだと実感しています。

お願いするときは、すべてを徹底することは難しいことを念頭に置きながら、どこまでなら協力いただけるかを伺うスタンスで、伝えるべきことはしっかり伝えることが重要だと感じました。

毎日お弁当は、大変だけど手作りが一番安心

保育園の間は持参したお弁当やお菓子だけを食べているので特に心配はありませんが、今後小学校に入学したら、給食のメニューに似せたお弁当を作る必要があるのかな、といったことは不安に感じています。小学校によっては似せてくださいと言われる場合もあるみたいですし、学校から言われなくても親としては似せてあげたいと思うかもしれません。

食物アレルギーについて、まだ本人にしっかりと説明したことはありませんが、今は「危ないから食べられないんだよ、お母さんも食べないよ」「大きくなったら食べられるかな~」といった程度の会話をしています。自分がアレルギーだとなんとなくは自覚してきたのか、「これは食べても大丈夫?」といったことは確認してきます。

今後は徐々に周囲と自分が食べられるものの差に気づいて、うらやましくなってくるかもしれませんね。疑問も明確に抱いてくると思うので、伝え方をまとめておきたいとは考えています。

毎日お弁当を持参するのは大変ですが、農薬や添加物のことを考えても手作りが一番安心なので、体を作る時期である今は頑張って乗り切ろうと思っています。

親としての気持ち、周囲への理解の求め方

周囲への理解の求め方としては、一番理解をしてほしい夫とは必ず病院に一緒に行き、医師や看護師からの指導を一緒に聞くことで認識レベルを合わせています。ほかにも、親族や周囲の方に対しては「医師からの指導で~」と伝えることで、かなり理解してもらえるようになったと思います。

アレルギーに関する情報の見つけ方はInstagramやLINEのオープンチャットなどのSNSを活用しています。
同じようにアレルギーを持つお子さんのママの投稿や、そうした方とのダイレクトメッセージのやりとりなどを通じて、かなり情報は得ることができています。今後は親同士だけでなく、アレルギーのある子ども同士が友だちになって共感し合えるような環境があるといいですね。

現在通っている病院は遠方にあるため、頻繁に通うことは難しいのですが、検査以外は遠隔で指導をしてもらえるので助かっています。アレルギーについて有名な病院かどうかではなく、自分が医師からの説明や指導に納得できる病院であるかどうかが大事だと思います。
通っている病院は看護師さんがたくさん知識を持っていて、説明もしっかりしてくれるので信頼できています。負荷試験についてもよく話は聞きますが、主治医が行わない方針なので、除去食や発酵食品から慣らしていこうと思っています。

アレルギーを持つ家族がいる場合の防災グッズについてもよく聞かれるのですが、「ゆきひかり」のレンジでチンできるお米のパックや、お湯を入れるだけでおかゆになるもの、玄米スープなどを常備しています。さらに、息子は干しイモが大好きなので、備蓄も兼ねて多めに家に置いていますね。食べ物以外では、首から提げられるネームプレートに食べられないものを書いた紙を入れてあります。アレルギーっこの防災についてもSNSで情報を得て準備しました。

アレルギーによる「制限」ではなく、体に心地いい「選択」と捉える

息子がアレルギーであることが発覚した当時は、絶望と、「アレルギー食材除去=制限」という考えを持っていました。ですが、今は「アレルギー食=体に優しい」と考えるようになりました。
私自身も息子と同じ食事をしていくうちに花粉症がよくなったこともあり、「制限」ではなく体に心地いい選択なんだと体感し、息子には大切な気づきをもらえて、とても感謝しています。アレルギーの方に優しい食事は、どんな人にも優しい食事なんですよね。

マルチアレルギーに悩む方には、病院選びは「納得のできるところかどうか」で考えてほしいと思います。治療がどうあれ一番近くで見ているのは親なので、いかに本人や親が納得できるかどうか、そしてサポートしてくれる医師かどうかはとても大事だと思います。

◆「君とごはん」編集長のコメント

食物アレルギーは、症状が個々に異なるため、保育園の入園時や、家族や周囲の方に理解を促す際、十分なコミュニケーションが重要ですね。「でも、どう理解を促すべきかわからない・・・。」と悩んでしまった時は、3歳児ママさんの様に、SNS上のコミュニティで、保護者同士の情報交換ができそうです。ネット上には、誤った情報もあるという前提を理解したうえで、うまく利用したいですね。

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