食物アレルギーは決して気持ちの問題でどうにかなる事ではないのだけれど、普段食物アレルギーと関係なく生活している人にとっては、重要度が低くきちんとした情報が認知されていないのだ、と感じた出来事でした。
食物アレルギーの「誤解」
【気にしすぎ】
新しい年になり、しばらくすると「すぎ花粉」の季節がやって来ます。
子どもがすぎの花粉症になる以前は、3月〜4月がすぎ花粉症シーズンだと認識していましたし、症状が出たら治療すればいいのだと思っていました。
実際は、一度花粉による症状が出てしまうと、悪化しやすくなってしまうため本格的に花粉が飛び始める少し前の2月から、診察・服薬することが大切になるそうです。
なので2月になると、定期的に耳鼻科に通い、シーズンが終わるまでお薬を服用します。
他にも、花粉症と関わらなければ知らなかったことや、誤解していたこともたくさんありました。
同じように、食物アレルギーでもまだまだ誤解されていることがあります。
【気にしすぎ】
これは、実際に言われたことがあり、当時とても驚いた事を覚えています。
外食を計画中、お店の食品表示に不明な点があったので、事前に確認が必要だという
流れになりました。
しかし確認をした際、店側の対応があやふやで、少し不安だからやめておこうという事になったのです。
そんな時に言われたのが
「気にしすぎ、そんなの気にしてたら 何も食べられないよ」
人によっては、微量でも命に関わることがあるのが食物アレルギー。
食物アレルギーは決して気持ちの問題でどうにかなる事ではないのだけれど、普段食物アレルギーと関係なく生活している人にとっては、重要度が低くきちんとした情報が認知されていないのだ、と感じた出来事でした。
ローマの詩人・哲学者ルクレティウスは「食物は人によっては毒になる」という言葉を残していて、紀元前にはすでに食物アレルギーがあったのでは、と言われています。
1950年日本では、あらかじめアレルゲンの情報を伏せ、情報の偏りをコントロールして行う盲検法(ブラインディング)を使用し、食物経口負荷試験を行うことで、食物アレルギーがアレルギー疾患として臨床的に認識されました。
それから七十数年、食物アレルギー患者の増加、メディアでの発信、インターネットの普及など様々な要因で「食物アレルギー」というものが世間に認知されてきたと感じています。
それでもまだ食物アレルギーに対する誤解や間違った解釈をしている場面に出会うことがあります
私自身、花粉症に対して誤解や間違った認識をしていたように、食物アレルギーとは無縁の生活を送っている人にとっても同様に「非日常」の事に対して、きちんとした情報や、正しい知識があるとは限りません。
食物アレルギーでは、認識のズレから、誤食や事故につながることがあります。
お互いの意見・認識の擦り合わせを行うための「コミュニケーション力」がより一層大事なることでしょう。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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