加熱済みのはずなのに
鶏卵アレルギー(卵アレルギー)
鶏卵アレルギー(卵アレルギー)は、6歳までに約 60%が耐性を獲得するという報告があります。
「食べられる範囲の量」が決まったら、毎日食べる練習を始め、少しずつ量や種類を増やし、最終的に耐性獲得を目指します。
「解除です」と言われる日は、子ども本人はもちろん、親にとってもきっと忘れられない出来事となるでしょう。
食物アレルギーの原因アレルゲンは、タンパク質からできており、食材によって色々な種類のタンパク質が存在します。
鶏卵(たまご)アレルギーの主なアレルゲンは4つ。
オボアルブミン、オボムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリンがありそれぞれ性質が少し異なります。
前者の2つを比べてみると
【オボアルブミン】
卵白タンパク質の54%を占めています。熱に弱い性質のため、加熱するとアレルゲン性が低下します。
【オボムコイド】
卵白タンパク質の11%と、割合としては少なく感じますが、熱に強く加熱してもアレルゲン性が変わらないため、オボムコイドに対してアレルギー反応が見られる場合は、加熱をしていたとしても食べることができません。
鶏卵(卵)アレルギーの場合、どの種類のタンパク質がアレルゲンになっているかによって、加熱済みが食べられるかどうか違いがあります。
また、鶏卵(たまご)の耐性を獲得したかについては、熱に強い「オボムコイド」の値を見て判断することが多いのです。
ちなみにリゾチームは 風邪薬に含まれていることがあります、購入の際は気を付けてくださいね。
【加熱済みのはずなのに】
加熱済みの鶏卵(卵)が食べられるようになったので,
外食でたこ焼きを食べたら、蕁麻疹が出てしまったという事例があります。
焼き菓子など150℃〜210℃の高温でしっかり加熱されたものに比べ、
80℃の低温で調理される、茶碗蒸しやプリン、卵スープなどは、症状が出る可能性は否定できないため十分に気を付けなければなりません。
また、自宅ではしっかり調理の状態を確認し、加熱具合を判断できますが、外食の場合、直接確認ができないことや、調理する人料理の種類、店舗によって差があるため、直接加熱の具合を確認するのは難しいことです。
特にたこ焼きのように、中身がトロリとしたものは、加熱の状態を判断するのが難しく、
鶏卵(卵)の加熱が不十分だった可能性が考えられます。
外食の際は、加熱の程度が自宅とは違うということを頭に入れ、少しでも不安や心配であれば控えた方が安全かもしれませんね。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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