「みんなと一緒」は、単純に同じものを食べたい、同じことをやりたいということではなく
同じ空間を楽しみたい、共有したいという想いも込められていると思います。
人によっては、それは些細な事かもしれませんが、食物アレルギーを持つこどもにとっては
考えているより、難しかったり、重要だったりするのです。

「みんなと一緒」が叶った女の子

画像: 「みんなと一緒」が叶った女の子

乳製品不使用の「アイスクリーム」

 今年は行動制限のない夏休みでしたが、皆さんはどう過ごしましたか?
京都の祇園祭も、青森のねぶたまつりも約3年ぶりに開催され、熱気と迫力がすごかったです。
なかでも新潟県の長岡まつりの花火は、息を呑むほどの美しさでした。

「花火」というと私がいつも思い出すのが、はじめてのみんなと一緒にやった手持ち花火です。
幼い頃、喘息だった私はみんなと同じように花火ができませんでした。
煙によって喘息の発作が誘発されるからです。
楽しそうに花火をしているみんなの姿を煙が入らないようにと、窓を閉めた家の中から眺めるだけでした。
それはもう、なんだか別世界のようでした。
私があまりにも「やりたい」と懇願したからでしょうか、母はある年「風上で1本だけならいいよ」と煙の少ない線香花火をさせてくれました。
はじめてみんなと一緒にやった花火、30年以上経った今でも忘れられない出来事です。

先日、乳製品の食物アレルギーを持つ女の子の記事を読みました。
その女の子は、学校の給食ででるみんなと一緒の「アイスクリーム」が食べてみたくて、とても羨ましかったそうです。
そんな女の子の小さな夢が叶いました。
乳製品不使用の「アイスクリーム」が開発され、給食でも提供されることになったのです。
はじめてみんなと一緒にアイスクリームを食べた女の子は、食べ終わる最後までずっと笑顔でした。
「みんなと一緒」に食べたアイスクリームは、きっとこの先の彼女の記憶の中にも、ずっとずっと残っていくのだろうと思います。

「みんなと一緒」は、単純に同じものを食べたい、同じことをやりたいということではなく
同じ空間を楽しみたい、共有したいという想いも込められていると思います。
人によっては、それは些細な事かもしれませんが、食物アレルギーを持つこどもにとっては
考えているより、難しかったり、重要だったりするのです。

それでも、中には「みんなと一緒」を選ぶことより、先生の隣で安全に給食を食べたい!と「安心」を選択する子もいると思います。
それは、その子が考えて出した答えなので、しっかり尊重してあげられる環境を作っておくことが大切になります。

約3年ぶりに復活したお祭りやイベント。
毎年行っていた時は特に気に留めなかったけれど、中止や延期が相次ぎ、考えさせられる事もあったのではないでしょうか。
できない時間が長かったからこそ、みんなと一緒に共有できた時間は、今まで以上に貴重なものになったと思います。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。

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