今回は、小麦アレルギーをお持ちの方と、卵アレルギーの子を持つ保護者様にお話を聞きました。

※本記事は、あくまで一個人の体験談を参考情報として共有しており、個々に異なる症状への適切な対処法の提案ではありません。対処法などは、医師の診断に基づきご自身で適切に判断をしてください。

周囲から食物アレルギーに関する理解が得られず、孤独な気持ちを味わったことも

アレルギー品目:小麦

幼い時より小麦アレルギーがあり、小麦を食べることで蕁麻疹・咳・腹痛・嘔吐・呼吸困難などが出現します。現在まで症状の改善はありません。

小学生の頃から、身近に食物アレルギーの人がいなかったので、周囲からは理解が得られず孤独な気持ちを味わいました。誤解や偏見、いじめで本音を言っても受け入れてもらえないことが多く、黙っていることが増えました。そのため、あまり人を信用できないのかもしれません。

社会人になり、飲み会や食事会などに誘われることもありますが、気を遣われるのが嫌で参加しないことが多いです。満腹になれば日々の食事は外食をせず、実家の母が作ってくれるものを食べています。母は栄養バランスを考えて、主に和食中心の献立を工夫して作ってくれているので問題ありません。

あまり食に興味がない私が旅行などに行くときは、おにぎりを持参します。国内旅行であれば特に困ることはありませんし、海外旅行には行きません。

過去に数回、食物経口負荷試験をしたことがありますが、毎回症状が出現しました。医師は「しばらく完全除去のまま時間をおこう、経過を見て進めよう」と言いましたが、苦しい思いをするだけなので、もうやりたくないと思っています。
これまでの食生活に不自由を感じていないので、今後も私は小麦除去で生きていくと思います。こんな考え方も一つではないでしょうか。

保育園では絵本でお友だちに説明をしたり、保護者の方にも理解をしてもらったりした

アレルギー品目:卵
年齢:6歳

卵アレルギーの子どもがいるため、保育園選びは通園できる範囲にある園を4~5か所まわり、アレルギー対応してくれる園を見つけました。園との面接時、「どのようなアレルギーがあるのか?食べたらどうなるのか?症状が出現した際にはどうするのか?エピペンの処方は受けているのか?緊急時の対応をどうするのか?」などを聞かれました。

園ができること、できないことを明確にしてもらい、自宅で検討しました。アレルギー対応をしてくれる保育園でも、対応はさまざまです。

例えば、内服薬は飲ませてくれるけれど、エピペンは受け取らないという園もあれば、エピペンを打つことまでしてくれる園もあります。ほかにも、弁当を持参しなければならない園もあれば、除去食対応してくれる園もあります。私たちと保育園で、お互いによく話し合い約束事を決めました。最終的には子ども自身の意見と園の雰囲気や先生方の対応が決め手になったと思います。

私たちの場合、症状が出現した際にはすぐ親に連絡をしてもらうこと、そして内服薬を服用させてもらうことをお願いしました。その園では食物アレルギー対応の経験があり信頼できそうでしたので、現場の先生の判断に任せるものの、強い症状出現時は保護者連絡より先に救急車を呼んで、救急搬送してほしいとお願いしました。

保育園では、クラスの園児たちにも食物アレルギーについての説明をしてもらいました。通院している病院に、おすすめの絵本を紹介してもらい、保育園の先生にその絵本を読み聞かせてほしいとお願いしました。どこの保育園でもやってもらえるかどうかはわかりませんが、私たちの場合には、絵本を自ら購入持参し、「いじめや偏見につながらないためにお願いします」と伝えたから、対応いただけたのかもしれません。

園の保護者会に参加した際には、食物アレルギーがあることをお伝えして、保護者の皆さんにも協力を仰ぎました。保護者に伝えることで、親から子どもへ分かりやすく説明してくれると思ったからです。正しく理解した子どもたちは、気をつけて注意してくれたり、協力してくれたりするメリットがあると思います。

◆「君とごはん」編集長のコメント

保育園や学校で共同生活を送る際、周囲の理解を得ることが難しいと感じる局面もあるかもしれません。そんな時は、お友だちの理解が得られるよう絵本を持参し、保護者の皆さんに協力を仰ぐなど、能動的に働きかけることで、周囲の方と協力体制を築くことができ、より安心して毎日を過ごすことができそうですね。
また、食物アレルギーの症状は人それぞれ異なるため、治療方針や、症状に対する受け取り方など、自分自身が納得のいく答えを出すことが大切ですね。正しい情報を収集することで、選択肢の洗い出しができそうです。

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