アレルギーっ子の食事を用意する時、気をつけるひとつに「混入」があります。
娘の食べムラ期の食事のお話です。
多くの方は「混入」を防ぐために、アレルギー用の食事と他の家族用の食事を別に用意されていると思います。
一般的に良いとされている方法は、先にアレルギー用の食事を作り、その後に他の家族用の食事を調理する方法です。
先に作ることによって、調理器具からの混入も防ぐこともできるのでおすすめです。
はじめは手際も悪く、分けて調理をするのに時間もかかりました。
作業自体は、慣れてくると頭の中で工程が出来上がってくるので、効率よくこなせるようになってきましたが、難しかったのが「作る量」でした。
アレルギー用の食事を作るときは、その子の好みを考慮し、日頃食べる量とすり合わせながら作るのですが、“食べムラ“の時期は予測が外れることもしばしば。
その日も、特に好物なメニューというわけではなかったので、アレルギー用の食事は、「一人分+α」程度の量でした。
そんな日に限ってなぜかお変わり連発、ついに足りなくなってしまいました。
残っているのは他の家族用に作った通常のメニューだけ…
「ごめんね、これは食べられないんだよ…」
おかずが目の前にあるのに、食べられなくて、しまいには泣き出してしまいました。
別の日、前回の反省をふまえて、アレルギー用のおかずもたっぷり用意しました。
ところがまったく食べず、たくさん残ってしまう結果になりました。失敗です。
“食べムラ“は子供にはよくある事とはいえ、何ども続くと、手間をかけているだけに気も滅入ります。
家族も満足して、“食べムラ“時期のアレルギーっ子も心置きなくおかわりができる、なおかつ食材が無駄にならないような方法はないのか…
そこで、アレルギー用の食事を基本に献立を立てることにしました。
通常、献立を立てるときは、常食(通常の食事)を基本に栄養素の調整をしていきます。
私は何の疑いもなく、ずっとその習慣で献立を考えていました。
固定観念に縛られると視野も狭くなるんですね。
アレルギー食を基本に作る。他に足りない栄養素はプラスで補う。
そうすることで調理も楽になり、アレルギー食をベースにしているので、おかわりが足りなくなることも、余って困る事も無くなりました。
“食べムラ“時期の食事はこうして乗り切ることができました。
安全に食べられるように、気をつけるべきポイントをしっかり抑えていれば、その子や家族に合ったやり方をいろいろ試してみることも良いと思います。
固定観念に縛られずに、さまざまな方法を試すことで、食事の支度が少し楽になるかもしれませんね。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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