栄養士の新人の時のお話し

今では笑い話です

画像: 今では笑い話です

今ではバリバリ仕事をこなす頼もしい栄養士の新人の時のお話しです。

 食物アレルギーのことを学ぶと、食材の知識も増えていきます。
新人栄養士のうちはわからないことだらけでも、2~3年もすれば家庭料理で使う食材ならだいたい覚えられます。
今回のお話の栄養士も新卒採用されたばかりで、先輩から食物アレルギーのことを教わっていました。
思い返すと恥ずかしい!!という彼女、今ではバリバリ仕事をこなす頼もしい栄養士になっています。

アレルゲン除去をした給食が患者さんのもとに届くまでの間には、それぞれの段階で複数のスタッフによるチェックが入ります。

食物アレルギー患者さんの情報が届く
指示内容を先生や病棟スタッフと確認し、給食スタッフにその内容を共有する
     ↓
通常メニューからアレルゲンを挙げていき、栄養士が代替メニューを作る
他の栄養士と一緒に、アレルゲンと代替メニューの内容を確認する
     ↓
先生、病棟スタッフとも、アレルゲンと代替メニューの内容を共有する
     ↓
食材の注文・納品をする
注文時、納品時それぞれのタイミングでアレルゲンを確認する
     ↓
調理をする日の前、当日に給食スタッフ全員でアレルゲンとメニュー、混入を防ぐための作業手順を打ち合わせしておく
代替メニューで使う食材がきちんと揃っているか確認
     ↓
アレルゲンの混入を防ぐため、通常メニューより先行して作業していく
     ↓
出来上がった代替メニューが間違っていないか注意しながら、盛り付けする
栄養士と複数のスタッフで、患者さんとメニューが一致しているか確認する
     ↓
食事の配膳
病棟スタッフと、栄養士や給食スタッフが一緒に確認する

このように、何度も何度もチェックを繰り返し、ようやく患者さんのもとに給食が届くのです。
毎日、毎食8回(アレルゲンの種類や施設によってはもっとたくさん)チェックするので、食材を覚えていくのですね。

 このお話の新人栄養士さんは、「おかか」がペラペラしているので“かか”という名前のとろろ昆布のような海藻だと思っていました。
噓でしょ⁉と言ってしまいそうですが、よく考えるとそういうこともあるかもしれません。
いつもお買い物するスーパーを想像してみてください。
「おかか」って、どこにあるでしょうか?
乾物コーナーですね。
乾燥ワカメと並んでいます。
出汁をとる時に使う花かつお、おしゃれに添える糸削り、小分けパックが便利なかつお節。
あれ?海藻に見えなくもない???
普段は、粉末のだしの素、だしパック、だし入り味噌を使うのではないでしょうか。
便利になった分、食材の本来の形がよくわからなくなってしまいますね。

 新人栄養士が、カツオを加工して作った乾物を薄く削ってできたおかかを“かか”という海藻なんだ~と勘違いしていたくらいですから、周囲の人に青魚アレルギーであると伝えていても、悪意無く食べさせられてしまうかもしれません。

 食物アレルギーの誤食事故防止には、皆が食べ物の知識を深めることも必要です。
自己学習はハードルが高いと感じたらぜひ、栄養士にお声掛けください。
日頃の食事管理で培ってきた食材の知識がお役に立てると思います。
どんな疑問にもお答えできるよう、栄養士も張り切って修行します!

認定食物アレルギー管理栄養士「根路銘寿々(ネロメスズ)」

老人ホーム、療養型病院、保育園などの施設に15年以上勤務した経験をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。

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