卵(鶏卵)はニワトリの卵なので、関係があると思う人もいるかもしれません。

鶏卵と鶏肉

画像: 鶏卵と鶏肉

「卵のアレルギーの人は、鶏肉も食べられないの?」

 以前、子どもにそう質問された事がありました。
卵(鶏卵)はニワトリの卵なので、関係があると思う人もいるかもしれません。
簡単にいうと、アレルギー反応を起こすタンパク質の種類が違うため、
卵(鶏卵)アレルギーの人が鶏肉を一律に除去する必要はないのです。

卵(鶏卵)のアレルギーを起こす主なタンパク質(アレルゲンは)
オボムコイド
オボアルブミン
オボトランスフェリン
リゾチーム
など。
鶏肉の主な(アレルゲン)は
血清アルブミン
ミオシン軽鎖1
アルドラーゼ
など。

魚卵と卵(鶏卵)や、牛乳と牛肉などもタンパク質の種類が違うので、同じように除去する必要はありません。
 一方、ウズラ、アヒル、ガチョウや七面鳥の卵は、鶏卵と交差抗原性(交差反応)が報告されているため、除去の対象になります。

交差抗原性(交差反応)とは…
アレルギー反応を起こす食品と、違う食品でも、アレルゲン(タンパク質の一部)が似た形をしている場合、それに反応してアレルギー症状が出てしまう事があります。
それを交差抗原性(交差反応)と言います。
花粉によるアレルゲンの交差反応によって起こる「花粉ー食物アレルギー症候群」もその一つです。

【交差反応を起こすと知られている主な食品の一例】
・牛乳「羊や山羊のミルク」
・小麦「ライ麦・大麦・オート麦」
・エビ「カニなどの甲殻類」
・魚類「複数の魚に反応」
・くるみ「ペカンナッツ」
・カシューナッツ「ピスタチオ」
 よく、誤解されやすいのが「ピーナッツ」です。

ピーナッツ=ナッツ類と考えている人も多く、必要のない除去をしていることもあります。
ナッツ類とは種実類のことで、マメ科、ウルシ科のように多種の科に属する実の総称です。
それぞれアレルゲンも異なるので、ピーナッツアレルギーの人が、ナッツ類にもアレルギー反応を起こすかどうかは負荷試験などできちんと診断してもらう必要があります。
 同じ文字がついていたり、不安だから、似ているからなど、独自の解釈や誤った情報、誤解で、不必要な除去が行われている場合があります。
本当なら除去する必要のないものまで過剰に除去を行うと、調理面でもメンタル面でも負担が増えてしまいます。
食物アレルギーだと診断されると、不安な気持ちでいっぱいになります。
「なんで食べさせたの!?」と言われ落ち込んだこともありました。
診断された時点で、すでにたくさんの事を抱えていると思いますが、心配事や不安なことは、専門医や栄養士に相談してすこしでも軽くなりましょう。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。

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