食物負荷試験で、症状が出ない=食べられるアレルゲン(タンパク質)の量がわかったら
積極的に食べる練習をしていきましょうという事なのですが、食べられる範囲とは何を目安に、いったいどのくらいの量を指すのでしょうか。
摂取可能なアレルゲンの量
「食べられる範囲で」
食物アレルギーで、一度は聞いたことがあると思います。
食物負荷試験で、症状が出ない=食べられるアレルゲン(タンパク質)の量がわかったら
積極的に食べる練習をしていきましょうという事なのですが、食べられる範囲とは何を目安に、いったいどのくらいの量を指すのでしょうか。
負荷試験や自宅負荷では、食材そのものの量で食べられる数量を決めるのではなく、
含まれている「アレルゲン(タンパク質)」の含有量で判断します。
卵、乳製品、小麦、などさまざまなアレルギーの原因となる食品がありますが、タンパク質の種類や性質も異なるためそれぞれに気をつけなければいけないポイントというものがあります。
「乳製品の場合」
牛乳(普通牛乳)に含まれるタンパク質の量は3.3g /100mlです。
同じ乳製品を比較してみると
・ヨーグルト 3.6g〜4.3g
・プロセスチーズ 22.7g
・バター 0.6g
・クリーム(乳脂肪) 1.9g
(日本食品標準成分表2020年版 八訂より)
これらの数字からもわかるように、チーズのタンパク質含有量は多く、牛乳のおよそ7倍です。
チーズの製造方法を思い出してみるとわかりやすいと思うのですが、チーズは牛乳から水分を取り除き作ります。
水分量が少ないほどタンパク質の含有量は多く、パルメザンチーズに至っては44.0g /100gもあり、牛乳が10ml飲めるからといって同様に10g食べてしまうと大変なことになります。
また、チーズやヨーグルトに関しては製品や製造会社によってタンパク質の含有量が違うことが多いため、その都度チェックが必要になってきます。
牛乳のタンパク質(アレルゲン)は、熱や発酵によって変わることがほとんどないため、タンパク質の含有量は製品の食品表示や、成分表から換算します。
しかしそれは、あくまで理論上導き出した値なので、必ずしも絶対に症状が出ないということではないので注意が必要です。
食物負荷試験を行なって、食べられるアレルゲンの量が決まると、いよいよ自宅での負荷が始まります。
完全除去の時とは違って、少しずつ食材を取り入れ「食べる練習」が始まるわけですが、何から始めればいいのかどのように進めていけば良いのか、本当に食べて大丈夫だろうかなど、不安でいっぱいだと思います。
そんな時は、専門医と栄養士がきちんとサポートしてくださるので、不安なこと疑問に思ったことなど、些細なことでも躊躇わずに相談してください。
管理栄養士「渡邊こずえ」
食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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