新生活が始まる時期、親元を離れ自活を始める人も多いでしょう、これを機に、母子手帳等を活用し、幼い頃の「食物アレルギー歴」を確認しておくのも良いかもしれません。

大人の食物アレルギー

画像: 大人の食物アレルギー

職業性の食物アレルギー

  乳幼児期に発症するイメージの強い「即時型の食物アレルギー」ですが、
18歳以上の大人での発症も、全体の5.4%を占めていて、成人であっても、いつどんな時にでも発症する可能性があるのです。

大人の食物アレルギーで主な原因食物は、甲殻類、果物、小麦、そばなどがあり
一般的には学童期以降に発症した食物アレルギーは、耐性を獲得することが難しい、つまり食べられるようになる可能性が低いと言われています。
また、「大人の独特な食物アレルギー」として、職業性の食物アレルギーというものがあります。

【職業性 食物アレルギー】
調理に携わる職業に関して発症することが多く、次のような環境で起こりやすいと言われています。
・頻繁に同じ食物に触る
・アレルゲンを含む、蒸気や粉などを継続して浴びる
頻繁にアレルゲンと接したり、鼻や口から吸入することで、皮膚や粘膜へ繰り返し刺激を受け、発症すると考えられています。
特に、手湿疹などの手荒れや傷がある場合、粘膜への刺激を受けやすくなるのでさらに発症のリスクは高まります。
職業性の食物アレルギーは、甲殻類や魚類、そばに多くみられ、特に、そばに関しては蕎麦打ちの際の粉はもちろん、茹でる際の蒸気にもアレルゲンが含まれているため、継続的に接触することが多いと考えられる食物です。

【食物アレルギーが再悪化】
乳児期に鶏卵や牛乳のアレルギーを発症した人が成人になり、レストランで勤めることになりました。
鶏卵や乳製品を頻繁に扱うことになり、再びアレルギー症状が出たという例もあります。
耐性化の方向に向かっていたところ再び悪化したということで、幼児期に食物アレルギーを発症したことのある人は、 原因食物を頻繁・継続的に扱う仕事は避けた方が望ましい、という考え方もあるようです。
たとえば、乳幼児期に、食物アレルギーを発症し、小学校入学前までに耐性を得て、
食べられるようになっていた場合があるとします。
食物アレルギーの記憶がしっかりと残っていれば良いのですが、残っていなければ知らずに 調理に携わる職場で働き「職業性食物アレルギー」のリスクが高まる、という可能性もあるのではないでしょうか?

 幼い頃の記憶は曖昧だったり、おぼろげなものです。
実際息子も、幼い頃に卵アレルギーだったことを覚えていませんでした。
新生活が始まる時期、親元を離れ自活を始める人も多いでしょう、これを機に、母子手帳等を活用し、幼い頃の「食物アレルギー歴」を確認しておくのも良いかもしれません。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
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