大豆アレルギーの場合、味噌や醤油などの調味料まで除去しなければいけないか?
と疑問に思う方もおられるでしょう。
重度の方以外は基本的に 調味料まで除去する必要はありません。
(ただし、個人差があります、独自の判断で行わずに専門医やかかりつけ医に相談しましょう)

調味料はどこまで除去をする?

画像: 調味料はどこまで除去をする?

アレルゲンと発酵

 近所にあるおいしい定食屋さん。
そこには日替わりメニューがあり、店頭のボードに毎日献立が書かれているのですが旬の野菜を使用し、工夫を凝らした家庭料理がいただけます。

 最近では、テイクアウトも始められたようで、何度か利用しています。
その中でも私は味噌汁が好みで、あまりにもタイプの味だったので使用している味噌を尋ねたら「御膳味噌」だと教えていただきました。
徳島県で作られている味噌で、そのお店の方はお取り寄せして使われているそうです。

 さて、ご存知の通り味噌には大豆が使用されています。
大豆アレルギーの場合、味噌や醤油などの調味料まで除去しなければいけないか?
と疑問に思う方もおられるでしょう。
重度の方以外は基本的に 調味料まで除去する必要はありません。
(ただし、個人差があります、独自の判断で行わずに専門医やかかりつけ医に相談しましょう)

 どうして除去の対象にならないのか。
アレルゲンとなるタンパク質が、発酵によって アミノ酸レベルまで分解されるからなのです。IgE抗体は、タンパク質の中のアミノ酸の並びによって認識をし、結合します。
アミノ酸のレベルまで、分解されると結合しにくくなるため、IgE抗体との反応性を低下させて、アレルギー反応を引き起こしにくくしていると考えられています。

【同じ発酵食品でも…】
 では、牛乳を発酵させた食品、ヨーグルトはどうでしょうか?
ヨーグルトはまず、乳酸菌や酵母の働きで、乳酸が作られます。
牛乳のタンパク質である「カゼイン」はその乳酸によって固まる性質があるため液状だった牛乳が固まり、ヨーグルトになります。
牛乳の主要アレルゲンであるカゼインは、酸によって固まりますが、分解はされないので、
発酵によってアレルゲン性が低くなることはありません。
また、乳製品アレルギー用のミルクはどうして飲めるように加工されているのかというと、
タンパク質を酵素によって加水分解という方法で、IgE抗体との結合を低下させています。
味噌や醤油と同じ発酵を利用した食品だからといって、必ずしも低アレルゲン化できているとは限りません。
発酵だけではなく、加熱や加圧、酸の処理によってタンパク質の構造が変わることを「変性」とよんでいます。
様々な加工方法で、食物のアレルゲンの量を減らしたり、タンパク質の構造を変え、低アレルゲン化された食品があります。
どのような食品が食べられるのか、普段から情報を集めておくと、毎日の食事作りの負担が減るかもしれません。

管理栄養士「渡邊こずえ」

食物アレルギーっ子ママで、管理栄養士。
管理栄養士の免許取得後、食品会社・病院・エステティシャンや飲食店など様々な仕事を経験。
現在は、3人の子育てをしながら自身の体験や失敗をもとにイラストやコラムを書いていただいています。
質問などありましたら「お問い合せ」にお気軽にメールをお願いいたします。

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