【監修】
渡邉 八寿子 先生
国立病院機構 相模原病院臨床研究センター
アレルギー性疾患研究部
管理栄養士、調理師

鶏卵除去により不足するタンパク質の代替食品

鶏卵の主な栄養素であるタンパク質は、体を作るもととなる重要な栄養素です。特に成長期の子どもには欠かせない栄養素であるため、鶏卵を除去している場合は代替食品を積極的に摂取し、タンパク質を補うようにしましょう。

画像: 日本食品標準成分表2015年版(七訂)「同 追補2018年」より算出

日本食品標準成分表2015年版(七訂)「同 追補2018年」より算出

鶏卵のアレルギー表示

鶏卵は、容器包装された加工食品に微量でも含まれている場合、表示義務のある食品(特定原材料)です。 原材料欄を確認すれば、鶏卵を使用しているかの判断ができますが、「卵(鶏卵)」以外に別の表記も認められています。以下の代わりの表記を確認しておきましょう。

〈代わりの表記〉
・代替表記:玉子、たまご、タマゴ、エッグ、鶏卵、あひる卵、うずら卵
・拡大表記(表記例):厚焼玉子、ハムエッグ

〈紛らわしい表記〉
・卵殻カルシウム:卵の殻を原料とした添加物のことです。焼成・未焼成の2種類あり、未焼成はタンパク質が微量残るため、「卵」の表示がされますが、鶏卵アレルギーであっても基本的に除去の必要はありません。
・レシチン(卵由来): 「レシチン(卵由来)」と表示されている場合は、鶏卵が原料であり除去が必要となります。しかし、「レシチン(大豆由来)」あるいは、原材料に卵(鶏卵)の表示がなく「レシチン」だけ記載されている場合は、除去する必要はありません。

鶏卵を除去した調理の工夫

鶏卵は料理の色付けやつなぎなど、さまざまな料理に使える便利な食材ですが、少し工夫することで、鶏卵を使わなくても家族皆で食べられる美味しい料理が作れます。

・鶏卵不使用の「ホットケーキミックス、唐揚げ粉、お好み焼粉」などのプレミックス粉を使い、調理の負担を減らすことができる
・鶏卵不使用の練り製品や肉加工食品、ノンエッグマヨネーズなど、アレルギー対応食品を活用することで献立のレパートリーを広げる
・料理の色付けに、かぼちゃ、トウモロコシのペーストやパウダーを使う
・天ぷらの衣やハンバーグのつなぎは、いも類や片栗粉・おからなどで代用する
・食パンやフランスパン、コーンフレークは鶏卵不使用のものが多く、料理の幅を広げる(小麦・乳は含む場合がある)
・鶏卵を含まないクッキーやゼリーなどの菓子類は、外出時の携行食やおやつとして役立つ

卵除去のレシピ

こんなにある! 卵不使用そっくりレシピ

卵除去のケーキレシピ

ガトーショコラ、マフィンなどなど‼ 卵不使用でもここまでできる

卵除去の揚げ物レシピ

とんかつや、魚のフライもこれなら安心‼

卵除去のお菓子レシピ

プリンや、ドーナツ、クッキーなどスイーツがたくさん!

卵除去の手作りマヨネーズ

マヨネーズも豆腐で代替!!

まとめ

鶏卵はさまざまな料理や加工食品に使用され、子どもが好む加工食品や菓子類にも多く使われており、誤食しやすい食品です。原材料を必ず確認し、アレルギー表示のルールを理解することで、誤食を防ぐことができます。
また、鶏卵除去による調理の負担は大きいので、アレルギー用食材の活用や、鶏卵を使用しない調理方法を知り、家族全員で同じ料理が食べられるよう工夫することで、食事準備の負担を減らすことができます。

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